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法人名義の車庫証明の必要書類【使用の本拠・支店・営業所・所在証明】
社用車やリース車を会社名義で登録するときの車庫証明。個人との一番の違いは「使用の本拠の位置」の考え方です。本店・支店・営業所のどこで取るか、自認書と使用承諾証明書の使い分け、本店以外を本拠にするときの所在証明、申請書の書き方までを実務目線で整理します。
法人の車庫証明は個人とどう違う?
保管場所の要件そのものは、法人でも個人でも変わりません。全国共通で、次の4つを満たす場所であることが求められます。
- 道路以外の場所であること
- 使用の本拠の位置から直線距離で2km以内であること
- 道路から支障なく出入りでき、自動車の全体を収容できること
- その場所を使う正当な権原(所有または賃借等)があること
個人と違うのは、主に次の3点です。いずれも「誰の・どこの車か」を書類で示す部分に関わります。
| 項目 | 個人 | 法人 |
|---|---|---|
| 申請者(氏名・住所) | 本人の氏名・住所(住民票の住所) | 登記上の法人名・代表者名・本店所在地 |
| 使用の本拠の位置 | 通常は自宅=住所と同じ | 車を実際に使う本店・支店・営業所。本店と違うことが多い |
| 本拠が申請者住所と異なる場合 | 単身赴任先など、例外的に発生 | 頻繁に発生。営業所を本拠にするなら所在証明が必要 |
保管場所の要件や配置図・所在図の描き方など共通の基礎は 車庫証明の実務 と 配置図・所在図の書き方【記入例つき】 にまとめています。本記事はそこに「法人特有の論点」を上乗せする位置づけです。
使用の本拠の位置(本店・支店・営業所)
法人の車庫証明で最重要なのが「使用の本拠の位置」です。これはその自動車を管理・使用する活動の拠点を指し、車庫証明も自動車登録も、この位置を基準に管轄警察署・運輸支局が決まります。
パターン別の考え方
- 本店で使う … 使用の本拠の位置=本店。申請者住所と一致するため所在証明は不要で、いちばんシンプルです。
- 支店・営業所で使う … 使用の本拠の位置=その支店・営業所。申請書の氏名・住所欄は本店(法人名・代表者名)のまま、本拠の欄に営業所住所を書きます。この場合は営業所が実在し活動している証明(所在証明)が要ります(→ 4章)。
「本店は東京、車は大阪営業所で使う」のに、本拠を本店(東京)で申請してしまうケース。実際に置く場所と本拠が2kmを超えて離れると要件を満たさず不許可になります。車を置く場所を基準に本拠を決めるのが鉄則です。
必要書類の一覧(自己所有地/賃貸)
法人名義で申請する場合の基本セットは次のとおりです。保管場所の権原によって、自認書か使用承諾証明書のどちらかを選びます。
| 書類 | 内容・法人での書き方 |
|---|---|
| 自動車保管場所証明申請書 | 正・副など所定枚数。法人名・代表者名・本店住所を記載。使用の本拠の位置に営業所等を記入 |
| 保管場所の所在図・配置図 | 所在図(周辺地図)と配置図(駐車区画の寸法・出入口)。本拠から2km以内を示す |
| 保管場所使用権原疎明書面(自認書) | 自社所有の土地・建物にとめる場合。法人名・代表者名で自認 |
| 保管場所使用承諾証明書 | 月極・借地など他人所有の駐車場にとめる場合。土地所有者・管理会社が記入(自認書に代えて添付) |
| 所在証明(本店以外が本拠のとき) | 登記事項証明書・公共料金領収書・消印付き郵便物など(→ 4章) |
自社の土地・自社ビルの駐車場→自認書。借りている月極駐車場・貸地→使用承諾証明書(貸主に記入してもらう)。社有地でもグループ会社名義の土地なら他人所有扱いとなり、使用承諾証明書が必要になる点に注意します。
本店以外を本拠にするときの所在証明
使用の本拠の位置を登記上の本店と異なる支店・営業所にする場合、その場所で実際に事業活動をしていることを示す所在証明を添えます。次のいずれか1つが一般的です。
- 登記事項証明書(登記簿謄本) … 支店登記をしていれば、その支店住所で足りることが多い(領収書等が不要になる)。
- 公共料金の領収書・請求書 … 電気・ガス・水道・固定電話。使用の本拠の住所と法人名が記載され、おおむね発行3か月以内のもの。最も確実とされます。
- 消印のある郵便物 … 第三者から営業所宛に届いたもの。消印の年月日が鮮明なもの。自社の関連会社からの郵便は不可とされる場合があります。
- 納税証明書 … 支店の法人住民税など。新設直後の営業所では使えないことがあります。
認められる書類の種類・発行からの期間(2か月/3か月など)・写しの可否は都道府県警(管轄警察署)で運用差があります。県によっては公式ホームページの営業所一覧の印刷を認める例もあります。申請前に管轄署へ確認するのが確実です。
申請書の書き方(法人名・代表者・押印)
氏名・住所欄
申請者欄には登記どおりの法人名・代表者の役職と氏名・本店所在地を記載します。略称や商号の表記ゆれ(株式会社の前株・後株など)は差し戻しの原因になるため、登記事項証明書のとおりに書き写します。
使用の本拠の位置
車を実際に使う本店・支店・営業所の住所を記載します。本店と同じならその旨、異なるなら営業所住所を書き、所在証明を添えます。
押印について
車庫証明の申請書・自認書・使用承諾証明書は押印が廃止されており、原則として押印は不要です。ただし県の様式や運用で押印欄が残っている場合や、社内・貸主側の都合で押す場合は、法人の代表印(社印)を押しておけば確実です。
手数料・申請の流れ
流れ自体は個人と同じです。管轄の警察署へ申請し、中3日〜1週間程度で交付されます。
1. 保管場所を決める・要件確認事前
本拠から2km以内・全体を収容できる区画を確保。自己所有か賃貸かで自認書/使用承諾証明書を判断。
2. 書類作成法人
申請書(法人名・代表者・本拠)、所在図・配置図、自認書または使用承諾証明書、必要なら所在証明。
3. 管轄警察署へ申請窓口
使用の本拠の位置を管轄する警察署に提出し、証明申請手数料を納付。
4. 交付・登録へ交付
保管場所証明書の交付を受け、運輸支局での登録(新規・移転・変更)に使用。
証明申請手数料は各都道府県の条例で異なり、おおむね2,000〜2,300円程度です。保管場所標章(車庫シール)は令和7年4月1日に廃止され、標章交付手数料(500〜600円程度)は不要になりました(証明・届出の義務自体は存続)。県別の金額は 車庫証明の県別ルール・手数料一覧 を参照してください。
社用車を複数台とめる場合の注意
- 1台ごとに1枚の車庫証明:社用車が複数でも、車1台ごとに申請が必要です。
- 台数分の専用区画:同じ駐車場でも、車ごとに重複しない区画を確保している必要があります。1区画に複数台は不可。
- 配置図で区画を特定:配置図に区画番号や位置を明示し、どの車がどこかを分かるようにします。青空駐車場なら区画割りと寸法を記載。
- 本社移転・営業所開設時の一括変更:拠点移転で使用の本拠が変わると、全車の変更登録+車庫証明の取り直しが発生します。台数が多い場合は出張封印やOSSと組み合わせると窓口往復を減らせます(→ 出張封印の実務 / OSS申請の実務)。
よくある質問(FAQ)
Q法人名義でも車庫証明は必要ですか?
はい。使用の本拠の位置が車庫証明の適用地域にあれば、個人と同じく登録の前に保管場所証明(車庫証明)が必要です。法人であることによる免除はありません。軽自動車は地域により「届出」になります。
Q本店と車を使う営業所が別の場合、どちらで取りますか?
車を実際に置いて使う場所(営業所・支店)が『使用の本拠の位置』になります。申請書の氏名・住所欄は登記上の本店・法人名・代表者名を書き、使用の本拠の位置の欄に営業所の住所を書きます。この場合は営業所が本拠であることの所在証明が別途必要です。
Q本店以外を本拠にするときの所在証明は何が使えますか?
支店登記があれば登記事項証明書でOKです。登記がない営業所では、その住所と法人名が記載された公共料金(電気・ガス・水道・固定電話)の領収書、消印のある郵便物などを、おおむね発行3か月以内のもので提示します。使える書類・期間は都道府県警で運用差があるため事前確認が確実です。
Q申請書に会社の印鑑(社印)は必要ですか?
車庫証明の申請書等は押印が廃止されており、原則として押印は不要です。県の様式や運用で押印欄が残る場合は法人の代表印(社印)を押せば確実です。
Q自認書と使用承諾証明書はどう使い分けますか?
駐車場所が自社所有の土地・建物なら『保管場所使用権原疎明書面(自認書)』、月極駐車場など他人から借りている土地なら土地所有者・管理会社が記入する『保管場所使用承諾証明書』を添付します。
Q社用車を同じ駐車場に複数台とめる場合は?
車1台ごとに車庫証明が必要で、それぞれ重複しない専用の駐車区画を確保していることが要件です。1区画に複数台を割り当てることはできません。台数分の区画番号を配置図で明示します。
関連記事:配置図・所在図の書き方 / 車庫証明の県別ルール・手数料一覧 / ケース別FAQ / 車庫証明の実務