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一時抹消したあとに解体したとき【解体届出は15日以内・永久抹消とは罰が違います】
解体そのものは業者がやってくれます。残るのは登録の後始末で、ここが「車検証がある車」と「もう返してある車」で名前も罰も分かれます。条文を並べて、どちらに当たるのか・いつから15日なのかを整理します。
車を解体したあとの手続きは、その車がいま登録された状態にあるかどうかで名前が変わります。やることの中身はほとんど同じなのに、名前も、怠ったときの罰も別――ここが取り違えの起きるところです。
車検証が生きている車を解体したら永久抹消登録の申請(法15条1項)。すでに一時抹消登録をしている車を解体したら届出(法16条2項)。どちらも15日以内で、起算日も対象になる場合も条文の書き方まで同じです。ただし怠ったときの罰は、50万円以下と30万円以下で違います。
同じ「解体」でも、手続きの名前が2つに分かれます
| いまの状態 | する手続き | 条文の言い方 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 登録が生きている(車検証あり) | 永久抹消登録の申請 | 申請をしなければならない | 道路運送車両法第15条第1項 |
| 一時抹消登録ずみ | 届出(解体届出) | 届け出なければならない | 同法第16条第2項 |
そもそも一時抹消登録は「することができる」(法16条1項)です。任意の手続きなので、しないまま解体すれば①の道、しておいてから解体すれば②の道になります。
解体のしかたでも、車の種類でも、業者に頼んだかどうかでもありません。ナンバーと車検証を返してあるかどうか、それだけで名前が変わります。
中身は同じです ― 場合も15日も起算日も一致
この2つは、条文の作りがそっくりです。並べるとよく分かります。
| 法15条1項(登録が生きている) | 法16条2項(一時抹消ずみ) | |
|---|---|---|
| 期限 | 15日以内 | 15日以内(同じ) |
| 起算日 | その事由があった日 (使用済自動車の解体なら解体報告記録がなされたことを知った日) | 同じ書き方 |
| 1号 | 滅失し、解体し(整備又は改造のために解体する場合を除く)、又は用途を廃止したとき | 同じ |
| 2号 | 車台が新規登録の際存したものでなくなったとき | 同じ |
さらに法16条3項は、使用済自動車の解体に係る届出について法15条を準用しています。⇒ 引取業者から解体報告記録の通知を受ける仕組み(法15条2項)も、申請のときに解体報告記録の日と車台番号を明らかにする義務(同3項)も、届出のほうにそのまま効きます。
違うのは罰の重さです
ここだけがはっきり分かれます。
| 怠ったもの | 罰 | 根拠 |
|---|---|---|
| 永久抹消登録の申請(法15条1項) | 50万円以下の罰金 | 法第109条第2号 |
| 解体届出(法16条2項) =届出をせず、又は虚偽の届出をした | 30万円以下の罰金 | 法第110条第1項第3号 |
一時抹消登録は任意ですが、そのあと解体したときの届出は義務です(法16条2項「届け出なければならない」)。罰が軽いだけで、無いわけではありません。
起算日は「解体した日」ではありません
15日を数え始める日を、解体を頼んだ日や車を引き渡した日だと思って遅れる――よくあるつまずきです。
その事由があった日、ただし使用済自動車の解体である場合は「解体報告記録がなされたことを知った日」から15日以内(法15条1項・法16条2項の柱書)。解体報告記録は、解体が終わってから登録されるものです。⇒ 引き渡した日ではありません。
法15条2項は、引取業者が解体報告記録を確認したら、その旨を所有者に通知するものとすると定めています。この通知が来てからが15日という組み立てです。通知が来ないまま数か月たっているなら、まず引取業者に確認してください。
1号の括弧書きです。エンジンや骨格を降ろして組み直すような整備・改造は、ここでいう「解体」ではありません。レストアやフルオーバーホールのつもりで抹消の心配をする必要はありません。
出さないと催告が来て、職権で消されます
永久抹消登録のほうには、出さなかったときの手当てが条文に書かれています。
| 順番 | 何が起きるか | 根拠 |
|---|---|---|
| ① | 所有者が申請しない | ― |
| ② | 国土交通大臣が7日以上の期間を定めて催告する | 法第15条第4項 |
| ③ | それでも申請しないときは、職権で永久抹消登録をし、所有者に通知する | 法第15条第5項 |
③で登録は消えます。しかしそれは罰金(法109条2号)を免れる話ではありません。また、職権で消されるまでのあいだ、その車は登録が残ったままです。自動車税・自賠責の扱いも、その前提で動きます。
一時抹消中の名義変更は「移転登録」ではありません
一時抹消をしたあとに車を売る・譲る場面です。ここで「移転登録」を探しても見つかりません。
国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトは、一時抹消登録後の届出として3つを挙げています。
| 手続き | どんなとき | 手数料 |
|---|---|---|
| 一時抹消登録後の解体届出 | 解体したとき | 無料 |
| 一時抹消登録後の所有者変更記録 | 持ち主が変わったとき | 無料 |
| 一時抹消登録後の輸出届出 | 輸出するとき(→輸出の記事) | ― |
解体届出の必要書類として挙げられているのは、解体届出書・手数料納付書・登録識別情報等通知書と、場合によって委任状・所有者の住所を証する書面・所有権を証する書面・理由書です。車検証もナンバープレートも、一時抹消のときに返しています。代わりに手元にあるのが登録識別情報等通知書で、これを失くしていると止まります。
まだ登録が生きている車を売ると同時に一時抹消もしたいときの、窓口・OSS での手続き名です。移転登録(法13条)と一時抹消登録(法16条1項)を一度に行います。ワンストップサービス(OSS)の案内では、自動車検査証とナンバープレートが無条件で必要とされ、申請した日から15日以内に必要な書類が提出されない場合は受理されないと書かれています。
よくあるつまずき
- 引き渡した日から15日を数えた起算日は「解体報告記録がなされたことを知った日」です
- 一時抹消してあるから何もしなくてよいと思った解体したら届出が義務です(法16条2項)。30万円以下の罰金の定めがあります
- 一時抹消ずみの車を売るのに「移転登録」を探した窓口の手続き名は「所有者変更記録」です
- 登録識別情報等通知書を失くしていた一時抹消後の手続きはこれが軸になります。理由書が要る場合があります
- 整備・改造の解体で抹消が要ると思った1号の括弧書きで除かれています
- 解体報告記録の通知が来ないまま放置した引取業者が通知するものとされています(法15条2項)。届かないなら確認を
- 「催告が来てから出せばよい」と考えた催告は7日以上(法15条4項)。罰金の定めは別に残ります
よくある質問(FAQ)
Q解体したら、いつまでに何をすればよいですか?
15日以内です。車検証が生きている車なら永久抹消登録の申請(道路運送車両法第15条第1項)、すでに一時抹消登録をしている車なら届出(同法第16条第2項)。どちらも起算日は、使用済自動車の解体であれば解体報告記録がなされたことを知った日です。
Q期限を過ぎたらどうなりますか?
罰の重さが手続きによって違います。永久抹消登録の申請を怠った場合は50万円以下の罰金(法第109条第2号)、一時抹消後の届出を怠った・虚偽の届出をした場合は30万円以下の罰金(法第110条第1項第3号)です。
Q15日は解体を頼んだ日から数えるのですか?
違います。使用済自動車の解体の場合、条文は「解体報告記録がなされたことを知つた日」から15日以内としています。引取業者は解体報告記録を確認したらその旨を所有者に通知するものとするとされています(法第15条第2項)。
Q整備や改造のためにばらしたときも抹消が要りますか?
要りません。法第15条第1項第1号・第16条第2項第1号は「解体し(整備又は改造のために解体する場合を除く。)」と書いています。
Q出さずに放っておくと、どうなりますか?
永久抹消登録については、国土交通大臣が7日以上の期間を定めて催告し(法第15条第4項)、それでも申請がないときは職権で永久抹消登録をして所有者に通知する(同第5項)と定められています。ただし、これは罰金の定め(法第109条第2号)とは別の話です。
Q一時抹消している車を売るときは何をしますか?
国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトは、一時抹消登録後の手続きとして所有者変更記録を案内しています(手数料は無料)。移転登録ではありません。必要書類として所有者変更記録申請書・手数料納付書・登録識別情報等通知書・新所有者の住所を証する書面などが挙げられています。
Q解体届出に手数料はかかりますか?
国土交通省の同ポータルサイトは、一時抹消登録後の解体届出について「手数料は無料」としています。所有者変更記録も無料です。
手続きの根拠・期限・起算日・催告と職権抹消:道路運送車両法 第15条・第16条/罰則:同法 第109条第2号・第110条第1項第3号(いずれも e-Gov法令検索)/一時抹消登録後の3つの手続きと必要書類・手数料:国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト「一時抹消登録後の届出」/移転一時抹消登録の必要書類と15日:国土交通省 自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)。
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